三浦海岸の石仏        目次にもどる  
福寿寺の豪快な青面金剛2基
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三浦海岸−剣崎のバス道沿いに青面金剛を中心とした庚申群が多数存在する。庚申塔/青面金剛の密度が、全国でももっとも高い地域の一つと思われる。剣人型の豪快な青面金剛が見飽きるほど沢山見られる地区である。
    ★印は必見
A.剣崎/松輪/小浜地区

三浦海岸駅-->剣崎行きバス 終点剣崎下車 280円
剣崎までのバスは本数が多いので、ここで下車。バス停前、剣崎灯台方面への分かれ道角に、観音巡礼塔と庚申塔が30基ほどまとめて安置されている。右の旧道を進むと、左側の斜面に庚申塔9基があり、その先で元の車道(新道)に合流する。

「松輪海岸」バス停の剣崎小学校まで歩く。校庭の反対側の裏口に明治大正期の庚申塔、猿田彦が20基ほどが無造作に置かれている。「工事中仮置き」のように見えるが、30年前からこの姿だったらしい。

少し引き返して、駐在所の先から左の道を上る。左右の斜面や民家の庭先など至る所に集め庚申や小庚申塔がある。

道は山道から畑の中の道に変わり、突き当たりの観音堂(エンマ堂?)脇にも集め庚申がある。
延宝5年の剣人型は、三浦最古の青面金剛。三浦半島は青面金剛だらけという感じだが、古い青面金剛は意外に少ない。

左へカーブして少し下ると福泉寺があるが、山門の六地蔵の背後に供養塔や回国塔が混じっている程度で大した石仏はない。

観音堂から引き返し、三叉路を左折すると、もとのバス道に出る。「松輪」バス停脇に、観音巡礼塔と庚申塔が合わせて10基ほど並んでいる。

バス道を駅の方向に戻り、ガソリンスタンドの前の三叉路を左折(三浦半島を横断して油壺方面に出る道)、100mほど行くと木立の下に庚申塔が3基あり、元禄17年の青面金剛が立派である。この庚申塔を目印に右折して下りにかかる。この下り道では、更に集め庚申が4ヶ所見られる。下りきると海岸線のバス停「小浜」付近に出る。

小浜バス停近くの崖の横穴に地蔵、庚申などが安置されている。すぐ近くの路傍にも庚申がある。
小浜バス停の先、カーブの手前、左上の小高い森に小浜神社があり、数基の庚申塔がある。人家脇の路地を通って登る参道が分かりにくい。

B.岩浦地区   バス停  小浜→鋒(とがり)→岩浦(いわぶ)

岩浦バス停の少し手前(カーブの注意信号)の道を入ると、福寿寺がある。★
門の近くに並ぶ勇壮な青面金剛4体は必見で、写真集などによく取り上げられる。
嘉永九年の青面金剛の姿が取り上げられることが多いが、著者の推薦は宝暦四年の青面金剛で、踏まれた邪鬼は髪が長く、乳房の大きな「女性」、吊り下げられたショケラはお尻が小さい「男性」となっており、普通の組み合わせと男女が逆である。
逗子金剛寺の青面金剛と一対に男女を入れ替えて作られたらしく、男女の特徴が描き分けられていることがよく分かる。
(逗子金剛寺:ショケラはお尻の大きい女性。禿頭の邪鬼)

寺の前を左に大きくカーブした森の中の道を更に上っていくと、開けた畑の中の道にぶつかる。左折して林の中の道に入ると4体の青面金剛、さらに進むと猿田彦庚申塔などがある。(福寿寺の裏山)

もとの海岸線に戻る。(岩浦バス停脇に「三浦義村の墓」の史跡がある。)
岩浦バス停脇の道を山側に7−8分上っていくと、山王神社があり、神社手前の路傍境内の2カ所に庚申塔群がある。★
境内の万治2年三猿塔は三浦市で三番目に古い庚申。上部の「鑑」は「カーン」を意味するとのことで大変珍しい。

三浦海岸の石仏を車で回る場合、車の入れない山道や畦道が多く、駐車場所がないことに苦労する。
福寿寺の近くの路傍、金田漁協には大きな駐車場があり、早朝以外はガラ空きなので、ここに駐車して徒歩で岩浦地区(+剣崎地区+金田地区)を半日かけて回るというのが一つの方法と思う。(地図参照)

(追記)金田漁協の2階が金田レストラン。ここのB定食(焼き魚/煮魚)1500円は、地元の観光協会のお勧めメニューで、遠くから食べに来る人も多い。
      月曜定休 046−886−1721 バス停「岩浦」
C.金田地区

海岸線に戻り、次の「京急かねだ荘」バス停から三浦霊園への道を入る。左の山側に庚申塔3基がある。
庚申塔の位置から右の直線道を進む。突き当たりで左折して20m先に庚申群数基がある。ここで引き返して下っていくと保養所「秀海荘」の裏の崖の中腹に青面金剛など2基の庚申塔がある。

この位置から左の直線道をどこまでも進む。直線道の終わり近くで左折して「丸山」集落の中を上り気味に進むと三叉路になる。右の崖の上にブロック製の地蔵堂があり、三体の地蔵が安置されている。

右の掘割状の道に入る。まづ右側路傍の草むらに文字塔を中心とした庚申群があり、崖に埋め込まれたようになっている。

更に進むと右側路傍に4体の庚申塔がある。元禄13など二体の大型青面金剛は堂々として立派で、左の延宝8の三猿はサルの表現が変わっている。★

丸山集落入り口に戻り、先程の直線道をそのまま進んで小川を渡り、突き当たりで右折すると、三叉路がある。三叉路手前の左山側の草むらに3体の庚申塔がある。

三叉路を左に山道に入ると200先の路傍に延宝8の三猿が一つだけあり、先程の延宝8三猿と同じ作品である。

引き返して走湯神社の方へ直進する。途中左へ分かれる道の角、民家の入り口に2体の青面金剛と文字塔がある。
間もなく走湯神社があり、鳥居脇に庚申塔がきちんと並んでいる。

神社前を進んで海岸線に出れば「金田」のバス停である。

青面金剛に食傷したのでここでは鳥居前を折れて円福寺を回るコースをとることにする。南国らしくフェニックス並木に囲まれた寺の風景が珍しい。
門前の小型の
六地蔵が面白い。寺の少し先、酒屋の脇の小道が近道で、「役場下」バス停に出る。

バス道を進むと岩鼻にホテルの建つカーブがあり、左側の崖の横穴に庚申や回国塔が安置されている。
この先「中継センター」と書かれた建物の脇の坂を引き返し気味に少し上ると、右路傍に青面金剛が2基安置されていた。

ここで気分転換に、バス道から海岸に下りしばらく砂浜を歩く。ガソリンスタンドの看板の見える位置(バス停「山神社」)でバス道に戻る。ここから山側に300mほど入った白山神社の先にある法昌寺墓地の磨崖に浮き彫りされた五輪塔と舟形光背が珍しい。

円福寺の前に広い駐車スペースがある。ここを利用する場合は、コースの順序が逆になる。
D.琴音地区

「山神社」バス停から先はバス道と平行に旧道が駅まで続いており、この旧道を歩くことになる。

琴音の変則十字路を左に少し入ると、右の高いところにに青面金剛群がある。

不動尊のある十劫寺前の十字路に庚申群がある。
竜巻青面金剛(明治)の豪快な姿とと泣き叫ぶショケラの表情には迫力がある。隣の昭和の庚申塔も珍しい。★

旧道が16号線に合流する直前の左側に閻魔堂(十劫寺の管理)があり、境内に庚申群、堂内には閻魔大王の木像と並んで岩船地蔵がある。岩舟地蔵の信仰については「神奈川の石仏」松村雄介(有隣新書)に詳しい。

旧道の山側を16号線が平行している。16号線沿いに少し戻った「まほろば」リゾートマンションの入口の交差点付近に庚申塔2基がある。
この地区には、海水浴用の駐車場/駐車スペース、トイレなどが多い。
コース外 追加地図の部分
<毘沙門地区>
剣崎小学校の先、バスは更に三崎東町まで伸びている。大乗バス停近くの海応寺に庚申群があり、元文五年の青面金剛(剣索型)の不敵な表情が有名。
以下、地図にない地域。−−下の地図を参照
<三浦海岸駅周辺の石仏
海岸を通る16号線と平行に旧道が続いている。

三浦海岸駅前から旧道を津久井浜方面にどこまでも進む。途中の個人宅入り口に小さな青面金剛と地蔵があった。
やがて左手に諏訪神社の鳥居が見えるので左折する。
鳥居近くで三浦幼稚園の案内表示にしたがって曲がると、幼稚園近くの右側路傍に青面金剛など数基の庚申塔がある。

鳥居前の道に戻り、幼稚園とは反対方向の道に入って進むと三樹院があり、墓地の道路側に10数基の庚申塔がある。
最右端の青面金剛の側面に二童子が彫られている。右側の童子が捧げる棒状の持ち物が何だか分からず意味あり気である。

寺の前を通過し、次のガードで線路の反対側に出て、法政大研修センター脇を上っていく。すぐに迷いそうな山道だが、枝道に入らぬよう本道を進むと、左側が小公園様に整備されており階段の上に青面金剛が安置してある。

更に進むと三叉路になり、旭小学校が大きく目の前に見える。
(右折して小学校校舎の裏を通る道を選ぶと、高円坊方面のバス道「仲尾」バス停付近に接続する。(別項 三浦高円坊参照)

道をまっすぐ下って小学校前に出る。団地の道に入らず、一番右の山側の車道を進むと道の右側に金網に囲まれた小さな墓地がある。鍵は掛かっていないので、扉を開いて入る。石仏地図手帳(神奈川)に紹介されている「石作薬師堂の石仏群」で、水神様と呼ばれる丸彫り観音像、ショケラを高々と吊り下げた元禄の青面金剛※などがある。
        ※これと同じポーズの青面金剛が、地図の「山ヶ谷戸」にある石仏地図「三浦高円坊」の写真を参照
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団地の中の道を適当に選んで三浦海岸駅に戻る。
駅のガード下、駅の上りホームから見おろせる位置に庚申群がある。
また駅前広場左手の信号のところに地蔵像など石仏群があり、「この付近の昔の風景」を記した大きな石の説明板がある。

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