品川のまとめ         まとめ   目次へ
品川の再刻版は、尻切れトンボだった大名行列を長くしただけの修正である。
品川再刻版だけは、版木をそっくり変えたのではなく、木版の一部修正で済ましている。
 
江漢図の行列の鉄砲隊2人を間にはさむことで人数を増やし、行列を長くしたことが分かる。
日本橋と同じように、江漢図の人物を追加することで人数を増やしている
 
★品川は、再刻版と江漢図の関係に筆者が気が付いた最初の一枚である。
再刻版は、江漢画帖の謎に深く関係しており、再刻版の謎が解けたというだけで、江漢図の重要性が証明されたことになるのだが、「再刻版」自体が一般にほとんど公開されておらず、カラー写真の入手すら困難なためか、TV番組ではなかなか取り上げられない。
12年前のTV番組では、担当者は取材の当初、江漢図と再刻版の酷似に非常に関心を持っていたのだが、最終的には取り上げられなかった。「再刻版の謎だけでもややこしいのに、それに江漢の謎を絡ませては収拾が付かなくなるので止めた方がよい」という美術専門家からのアドバイスがあったというが、謎解きの経験がない人の誤ったアドバイスであった。
一般論として、二つの謎を重ね合わせることで、両方の謎が一挙に解けることが多いのである。
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