17由井 5.真筆との共通点         5   まとめ    目次へ
江漢画帖は、これまでの江漢の作品群とまるで画風が違うと言われ、その第一印象がニセモノ説の発端になっている。
しかし江漢は生涯新しい画法に挑戦し続けており、さらにその最晩年の作品であることから画風の違いはニセモノ鑑定の材料にならない。 江漢自身「日本始まりてなき画法・・」と言っている。
−−むしろ共通点を探す方が重要。画風を変えたといっても、同じ人間である以上、共通点が見つかるはず。
 
江漢画帖「由井」                           江漢真筆「大峰覗き岩」
全体構図、崖下を覗く三人の人物、岩肌や植物の描き方・・・など共通点が多く、よく似ている。
とくに「由井」の左下の岩と「大峰」の左上の岩は、水墨画と油絵の違いを越えて、同じ表現と思う。
 
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