由井のまとめ             まとめ      目次へ
広重図とそっくりの風景があるというのが由比町観光の中心で、広重美術館まで作ってしまった。しかし・・・
 
(1)江漢図を含めて三者を較べると、江漢図の方がはるかに実景に近い。(富士の稜線、海岸線)  
(2)江漢書簡によると、 江漢は1812年初冬、京都から江戸への帰り、快晴に恵まれ、雲一つない富士を写生している。
  写真は1/15撮影で江漢と同じ季節。江漢図は積雪状態や光と影まで含めて、同じ季節/快晴の富士である。
(3)江漢書簡によると、 江漢1812年の旅で日本で初めて写真鏡を使って富士を写生したと書いている。
  江漢図は、下図のような画法で描かれている。このような画法は当時日本にはなく、西洋にもほとんど作品がない。※
  しかしサッタ峠のようカメラに収まるコンパクトな風景の場合、写真鏡を使えば、こういう画角の絵が自動的に描ける。
上記(2)(3)から、この図は江漢書簡に相当する絵である。
この絵が未発見だったため、江漢は法螺吹きと人物評価され、江漢の自筆資料も信用出来ないとされていた。
※参考:ブリューゲル
※江漢図は、普通の俯瞰図ではなく、距離によって俯瞰角度が変わる「超広角画法」で描かれている。欧米でもブリューゲルの作品にしか見られない画法で、江漢がマスターしていたはずはないが、写真鏡を使えば誰でも描ける。
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