27掛川 4.人物モデル        4  まとめ   目次へ
  
江漢図には凧が描いてないので少年が何をしているのかよく分からないが、東海道名所図会の「凧揚げ」がモデルと思われる。
  
広重図の「腰が90度に曲がった老婆」のモデルは、続膝栗毛口絵であることが誰が見ても明らかであろう。
鈴木重三ほか「保永堂版広重東海道五十三次」(2004岩波)
この本は、十返舎一九の描いた続膝栗毛口絵「道中ゆきかい図譜」が広重図の人物モデルという鈴木重三氏の発見が中心になっているにもかかわらず、この「腰が90度に曲がった老婆」のモデルだけは何故か除かれている。

この老婆モデルを認めると、偉い坊さんに「最敬礼」説が崩れるため、削除したものと思われる。
「自説に都合の悪い証拠は抹殺し、都合のよい証拠だけを並べる」・・・美術研究界の悪い基本姿勢の一例である。
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