江漢五十三次概論 TV番組説明資料    大畠洋一             CD総目次に戻る
   BSジャパン(BSデジタル)  2008/11〜2009/1
   「広重東海道五十三次は盗作だった?!」放映
このTV番組を見た人のための補足説明に作成した資料(冊子)であるが、江漢/広重五十三次概論としても
まとまっていると思うので、CD版に転載する。
目次
大畠説の構成

   A論.モデルコピー論 (江漢五十三次、広重五十三次のどちらがモデルか)
  
B論.これまでの広重定説の崩壊(以前からすでに自己崩壊)
  
C論.広重五十三次の謎と謎解き(広重東海道五十三次には昔から謎が多い。)
  
D論.江漢五十三次の作者は江漢本人か(ホンモノかニセモノか江漢本人の証明
  
E論.江漢五十三次の成立事情
  
F論.広重五十三次の成立事情
  
鑑定への批判
   G論 広重は、江漢図の原資料(江漢写真鏡スケッチ/取材メモ・・)を参照していることの証明。
   H論 北斎モデル 美術界の定説に反して広重は各所で北斎をモデルにしている。
A〜Hあらゆる角度から見て、江漢図が広重図のモデルであり、江漢の真筆であることは間違いない。
「総合判断して・・」というよりも、「どの項目を取り上げても、江漢図が広重図のモデルであり、江漢の真筆である事を示している」と言った方がよいであろう。  
 
TV番組への批判
下表のように(1)「広重図はコピーかどうか」と(2)「江漢本人かどうか」は、本来、別な議論である。※
番組は、AB論と鑑定を比較するような構成になっており、論理上おかしいということで、直前になってD論を若干挿入したが、全体として中途半端な印象になった。 
    大畠論     大畠論への反論   
(1)広重53次は江漢画帖ののコピーか?
  (広重側からの研究)
A論 モデルコピー(現地風景など)
B論 広重定説の崩壊
C論 広重53次の謎解き
なし
なし
なし
(2)江漢53次の作者は江漢本人か?
  (江漢側からの研究)
D論 江漢本人の証明
●鑑定への批判
    (鑑定の間違い指摘)
筆跡鑑定
顔料鑑定
C論(以前から言われていた「広重五十三次の謎」の解明)は、今回TVでは取り上げられなかった。
鑑定への批判もTV収録したのだが、時間の関係で放映されなかった。
※「冤罪かどうか」と「真犯人は誰か」の議論に似ている。
真犯人が現れれば自動的に無罪になるので、全く無関係とは言えないが、真犯人が出てこなくても冤罪は冤罪である。
二つを区別して議論しないと判断を誤るもとになる。

 

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