2.Excelファイルの一覧表                 パソコン目次に戻る
ワープロで作って印刷した石仏一覧(縦書きなど)を頂くことが多い。印刷した一覧表は、目で眺めるしか使いようがないが、
@Excel一覧表にして A(印刷物ではなく)、FDか電子メールで配って頂くと
次のようにあとでいろいろな使い方が出来、効率よく活用できる。

まづ、Excelで貰うと、貰った側は自分の一覧にそのままコピーで取り込める。
印刷物で頂いた場合は、自分の方式に合わせてキーで再入力し直さねばならない。

Excelの一覧は「1件1行」横書きのデータベース(狭意)型。・・。年賀状の宛名一覧(住所録)と同じスタイル。

パソコンの80%くらいには、Excelが入っているはずだし、Lotusなど他の表計算ソフトからでも読めることが多いのでExcelは「準共通用語」である。(専門のデータベースソフトも市販されているがポピュラーでないので、汎用性に乏しい。

1万件程度であれば、Excelで充分。数万件以上のデータベースになった場合に、専門のデータベースソフトへの移行を考えればよい。(Excelで作ったデータはデータベースソフトへ移行できるので無駄にはならない。)

Excel表の一例  道しるべ一覧(藤橋「道標とともに」より作成 部分)
Excelの機能
Excelのデータベースでは、次のような便利で簡単な機能が使える。
Excelの機能(その1) オートフィルター」による抽出。   データ−フィルター−オートフィルター
  例えば神奈川県の石仏一覧から「横須賀市」だけをを抽出。

分類項目による抽出のほかに、オープションとして「〜を含む文字列」の抽出」が使える。
あまり知られていないが、大変便利な機能であり、「一覧表の作り方の設計」にまで影響する。

例:青面金剛の持ち物欄 次のように順序不同−任意の表現でよい。
 「索−−弓矢−合掌」「剣型」「三叉、輪、、蛇、弓矢」
    「を含む」でショケラ持ちがすべて抽出できる。

例:道しるべ欄  道しるべ石碑には複数の行き先が併記されていることが多い。
  これを一覧表にするにはどうしたらよいか難問だが、正解は次のように「適当に書き並べておく」だけでよい。
  「鎌倉道、大山道」  「西 大山、東 戸塚、南 藤沢」  「八王子みち、大山みち、」
    「大山を含む」文字列で簡単に抽出できる。

「保土ヶ谷」道で抽出した例
 
 
石仏文献(研究論文)の内容は、タイトルを見れば大体の見当が付く。
例えば「双体道祖神」の文献を探したいとき、文献一覧表から、タイトル欄に「双体道祖神の文字列を含む」文献を抽出すれば、ほぼ目的を達するだろう。

ただし、中には「路傍の仏たち」とか「みちのくの石仏を訪ねて」とか、タイトルから内容の分からない論文がある。
こういう場合は、一覧表を作るときに、タイトルの後に「路傍の仏たち−#双体道祖神 #庚申塔」のような補助のキーワードを書き並べておけば完璧になる。
  #マークは、原タイトルにはなかった追加キーワードであることを示す記号であり、記号を付けなくても構わない。

日本石仏協会発行の分類別「日本の石仏」論文一覧は、大した役に立たない。発行順に目次を並べたExcel一覧表をCDかスチックメモリで配布するのが一番安上がりで、一番役に立つ。    →大畠「日本の石仏」総目次を利用してください。
「分類」と「検索」の違いについて
図書館分類(日本十進法)は実によく出来ているように見えるが、単に新着本の置き場所を決めるためのもので、利用者が本を探すためには余り役に立たない。

例: 「東海道五十三次」資料は、ちょっとした内容の違いで、「歴史」「地理」「交通」「美術」の棚に分散している。
    全部調べたつもりでも調査もれが起きる。
隅々まで知っているはずの行きつけの図書館で「江戸町奉行」「十手/捕り縄」の本が、「警察」に分類されていることに気が付き、愕然としたことがある。 確かに「昔の警察」には違いないが、普通は「江戸時代の歴史」の分類しか探さないであろう。

利用者用には「東海道」と入れれば、東海道関連の本が全部出てくるようなシステムが必要で、それが「検索」である。

検索はこれまでの図書カード(書名目録/著者目録・・)や印刷物では不可能で、パソコンが出来て始めて可能になった。
書名目録カードでは、「〜で始まる」書名しか検索できず、「サルでも分かるパソコン入門」のような書名が流行ると全くお手上げになる。

図書館蔵書のパソコン検索やインターネットの検索は、「分類」ではなく「検索」、すなわち「〜の文字列を含む」項目の抽出が基本になっている。
今ではそれが当たり前だが、図書館にパソコンが導入された初期の頃(15年前)には「分類」と「検索」の違いが理解されず、昔ながらの「分類」に近いシステムになっており、大変使い勝手が悪かった。


Excelでも「〜の文字列を含む」抽出が出来るようになったのは、比較的最近である。
「Excelとの互換性」を売り物にするソフトの中に、肝心の「〜を含む抽出」が出来ないものがいくつかあるので注意が必要である。※

 KingOfficeであれば、ほぼ同じように使える。
 
Excelの機能(その2) ピボットテーブル」(集計
   (メニュー) データ−ピボットテーブル

一覧表から、右のような「地域別/様式別」集計などが一瞬に出来る。
一覧から拾い上げてカウントしようとすると、2−3日はかかる作業である。
 
Excelの解説本では余り詳しく解説していない。裏技が多く奥が深い。
 
Excelの機能(その3)  ホームページ用に変換→Excelに復元

ホームページに載せられるのはHTMLファイルという特別な形式で、Excelファイルは載せられないはずである。
ところが、次の操作を行うと、ホームページに載せられる形に変換することが出来る。
     @ファイル−WEBページとして保存

ホームページに載せただけでは、Excelを印刷物にして配ったのと同じで、上記のようなExcel機能を活用出来ないから、余り意味がないはずである。
ところが、次の操作を行うと、パソコン画面に元のExcel表を復元出来、Excel機能をフルに活用することが出来るし、Excelの形で保存することもできる。
     Aファイル−Microsoft Excelで編集

「関東7県の初期青面金剛一覧(全7ページのBook)」 「日本の石仏創刊号〜120号 全目次」 のようなExcel一覧表を抽出など機能付きでインターネットで公開出来るのである。

EXcel機能を知らない人には猫に小判だが、Excelの有用性を知っている人には大変な福音のはずである。

Excelの入っていないパソコンの場合、Aの操作が出来ないことになるが、無料で配布されているExcelViewerを入れておけば、同じように活用できる。
(Excelの入っているパソコンにExcelViewerを入れると、干渉し合って動作がおかしくなるので注意。)
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