吉田 石巻山      目次へ
新板東海道分間絵図
石まき山見ゆる 石をまき立てるようなる山なり。
神名帳に三河国八名郡石巻神社とあり。

   
東海道名所図会「吉田」
豊橋市緑が丘付近より石巻山 市内電車終点「赤岩口」から徒歩30分の地点で、吉田橋から数キロ離れた場所
石巻山(カシミール図 50mmレンズ) 江漢図の石巻山

石巻山は、吉田橋や吉田城から数キロ離れており、吉田橋から見ると江漢図ほど大きく見えない。他にもっと大きな山があり、余り目立たない。

江漢図は石巻山であることは一目瞭然。
吉田橋から4km離れた石巻神社付近から見た石巻山のスケッチと吉田橋を合成したモンタージュであろう。             
広重図にわざわざ描かれた小さな山は、東海道名所図会の転用であろう。
ただし東海道名所図会の石巻山は特徴をよくとらえているのに、広重図では崩れており、どの山をとったのかよく分からない。
東海道名所図会「吉田」

吉田橋より
これまで広重図を石巻山とした研究書はない。「本宮山であろう。」とした本があり、他の本にもそれが引用されている。
   ●本宮山は吉田の北方15kmにある標高780mの山。均整の取れた二等辺三角形の山で石巻山とは山容が異なる。 
   ●石巻山は吉田の西北6kmにある標高330mの山。特徴のある山容。
   ●本坂岳: 山はあまり知られていないが、東海道のバイパスである「姫街道」の本坂峠が地名として有名。
江漢の道草
1812年京都からの帰路、急ぎ足なら13日で行ける京都ー江戸間を、江漢は30日以上かけて取材しながら歩いたらしい。
東海道から4kmもはずれた石巻山のスケッチはその「道草」の実例である。

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