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広重五十三次の謎 | |
広重東海道五十三次には様々な謎が指摘されている。 まとまった謎としては、再刻版の謎と異摺りの謎があり、これまで納得の行く説明がされていなかった。 再刻版と異刷りの謎には、すべて江漢図が絡んでいることが分かり、すべての謎が解けた。 言いかえれば、これまで江漢図が発見されていなかったので、謎のように見えていただけである。 |
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再刻版の謎 | |
1.日本橋 2.品川 |
日本橋を賑やかにするために江漢図の人物を全部追加した。 大名行列を長くするために、江漢図の鉄砲隊を追加した。 |
3.川崎 4.神奈川 |
北斎の船頭ポーズを真似したが、版元の気に入らず、江漢図の船頭に描き直しさせられた。 家並みの屋根の描き方が版元の気に入らず、江漢図通りの屋根に描き直さしせられた。 |
5.戸塚 6.小田原 |
最初、江漢図通りの風景に描いた。 20年の間に風景がすっかり変わっていることが分かったので、現状の風景に描き直した。 最初、江漢図の山の形を使って描いた。 後で、江漢の山が箱根でなく大山であることが分かったので、箱根山らしく描き直した。 |
異摺りの謎 山を出したり入れたりしたのは、江漢図に合わせるためである。 | |
A.池鯉鮒 B.大津 |
@広重の原図(初摺り)には、山がなかった。 A江漢図は正確な現地写生と考えられていたため、江漢図に合わせて山を入れようとした。 Bしかし、技術的その他の理由でうまく行かず、最終的には山を入れることをあきらめた。 |
C.
山のないのが初刷り・・・その根拠 定説では、@最初山があった。→A後刷りで手数を省くために山を省略した。・・・とされるが間違いである。 |
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T.広重東海道五十三次の総括的な謎 個々の絵の謎のほかに、保永堂版五十三次シリーズ全体にかかる謎や広重の生涯にかかわる謎も多い。 |
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例えば ◆広重の最初の出世作である東海道五十三次が、生涯の最高傑作であるのは何故か ◆東海道五十三次に着手したとたん、それまで目立たなかった広重の天才が一挙に開花したのは何故か・・・ |
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これまでは、「京都への旅で触発されて・・・」など旧都への旅にかこつけて説明されていたが、「広重、京都に旅せず」が決定的にになった今、何一つ説明出来なくなっている。 これらの謎は、「江漢画帖という優れたモデルがあったから・・・」としてすべて説明出来るのである。 |